賃貸物件を借りる際、家賃の支払い方法は前払いと後払いの2通りがあります。では、どちらが一般的で、それぞれのメリットやデメリットは何でしょうか？ここでは、それについて詳しく解説します。

家賃の支払いサイクルは2通り

賃貸物件の家賃支払いサイクルには、前家賃と後家賃の2つの方式があります。

前家賃とは

前家賃とは、当月の家賃を前月中に支払う方法です。これは民間の賃貸物件において一般的であり、約9割の物件が前家賃方式を採用しています。

通常、前家賃の支払い期限は前月末や前月25日、27日などと設定されています。大家さんとしては、家賃が入金されるのが先月分であるため、安心感があります。また、退去時にも退去前に家賃が支払われるため、確実に回収できる利点があります。

後家賃とは

後家賃は、当月の家賃を当月になってから支払う方法です。この方式は一般的ではなく、民間の賃貸物件ではほとんど見られません。一部の公営住宅などで後家賃方式を採用している場合があります。

後家賃の場合、大家さんにとっては当月中に家賃が入金されないため、少しリスクがあります。したがって、後家賃の物件は少ないですが、民法614条には後払いを規定していますが、契約時の特約により前払いが一般的です。

前家賃と後家賃の確認方法

賃貸借契約書を見れば、家賃の支払い方法が記載されています。支払い方法の欄に「当月分の家賃を前月○日までに」と書かれていれば前家賃、逆に「当月分の家賃を当月○日までに」と書かれていれば後家賃ということになります。

前家賃と後家賃は選べるのか

家賃の支払いサイクルは、物件ごとにあらかじめ決められています。そのため、入居者の個別の事情に応じて変更することはできません。ほとんどの場合、マンションやアパートごとに大家さんや管理会社が家賃を管理しているため、支払いサイクルは統一されています。

前家賃のメリット・デメリットは表裏一体

前家賃の場合、退去時の月には家賃支払いが不要になります。しかし、入居時に1ヶ月分の家賃をまとめて支払う必要があり、初期費用が多くなる点がデメリットです。

以上が、家賃の前払いと後払いについての基本的な情報です。前家賃が一般的であることから、入居時の負担は大きいものの、退去時の手続きがスムーズになる利点があります。

まとめ

賃貸物件の家賃支払いには前払いと後払いの2つの方式がありますが、ほとんどの場合、前払いが一般的です。前払いでは、当月の家賃を前月中に支払うことになりますが、退去時には退去月の家賃支払いが不要という利点があります。一方、後払いは当月の家賃を当月中に支払う方式であり、一部の公営住宅などで見られますが、民間の賃貸物件ではほとんど採用されていません。

家賃の支払いサイクルは物件ごとに決められており、入居者が希望に応じて変更することはできません。契約時に家賃の支払い方法が記載されているため、賃貸借契約書を確認すれば前払いか後払いかを知ることができます。

前払いの場合、入居時に1ヶ月分の家賃をまとめて支払う必要がありますが、退去時の手続きがスムーズになるという利点があります。一方で、初期費用が多くなるというデメリットもあります。前払いと後払いにはそれぞれメリットとデメリットがありますが、一般的には前払いが選択されることが多いです。